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ACEのChubb買収について
Jul 2, 2015

※ニュースリリース和訳(ACE Limited配信)
エースがChubbを買収 - 現金・株で約283億ドル

エースによるChubbの買収がエース・リミテッド (NYSE: ACE) と The Chubb Corporation (NYSE: CB) 両社の取締役会において全会一致で可決されたことが発表された。合意された条件によりChubb株主は一株当たり$62.93の現金と0.6019株相当のエース株配当を受ける。総価格は2015年6月30日のエース株価終値に基づき、Chubb株で一株当たり約$124.13、あるいは総計で約283億ドルとなる。これは エースの20日間出来高加重平均株価(VWAP)を使用した場合Chubb株一株当たり$125.87に相当する(2015年6月30日時点)。買収契約の最終合意にあたり、エース株主は合併会社の株式の70%を保有し、Chubb株主は30%を保有することとなる。これは2015年6月30日のChubb株価終値に対し30%のプレミアムが付けられる形となる。

エースとChubb が統合することで合併会社は、企業保険(コマーシャル)および個人保険(パーソナル)分野において損害保険業界のグローバル・リーダーとなる。増収・収益力は強化され、両社の多様で豊富な商品が統合することでさらにバランスの良い商品構成が実現し、損害保険業界の価格競争サイクルへのエクスポージャも軽減される。両社の商品やディストリビューション、顧客層は互いを補完しあう形で強化され、アンダーライティング規律に対する信念や最高のクレーム・サービス、データ量の大幅増加により世界中の先進国および発展途上国のマーケットで新たな利益や成長機会を創出することができる。合併による効率化で人やシステム、商品、ディストリビューションに投資するための柔軟性が生まれ、会社としての競争力も強化される。また、統合化されることで収支規模が拡大し、世界でもトップの損害保険会社の仲間入りをすることとなる。2014年12月31日時点の総計ベースで両社合わせて約460億ドルの株主資本と現金、投下資本、およびその他資産は約1500億ドルであった。

統合化がもたらす増収と収益力

エース・リミテッドの会長兼CEOであるエバン・グリーンバーグ氏は今回の買収について「歴史ある優れたブランド力を持つChubb買収のニュースを発表することができて、とても嬉しく思っています。この買収により我々の戦略は有意義な形で前進し、しかるべき期間内にエースとChubb両社の株主に対して大きな利益を生み出す素晴らしい機会となります。我々は、相補性の極めて高い非常に優秀な2つのアンダーライティング・カンパニーを統合します。統合化されることで互いを高めあい、両社を合算した以上に大きく上回る増収・収益力に秀でた企業となります。」とコメントし た。

Chubbの会長兼社長兼CEOであるJohn D. Finnegan氏は「この取引はChubbとエース、両社の出資者にとって魅力的なものでした。どちらも高く評価され成功している会社であり、両社の能力や資産、拠点の地理的展開において互いに補完しあうことができます。合併会社の今後の増収や収益性への寄与はもちろんのこと、株価プレミアムなどの即時的な利益といった形でもChubbの株主に大きな価値を必ず提供できると信じています。また、合併会社がChubbブランドを引き継ぐことは大変嬉しく、このことはChubbブランドが代表する品質やサービスへのコミットメントを両社共に共有していることのあらわれだと思っています。損害保険業界においてベスト・イン・クラスのグローバル・フランチャイズを共に築いていくことを楽しみにしています。」とコメントした。

プレゼンスと能力の相補性

アメリカのコマーシャルラインズ(企業保険)分野において、エースはブローカーに対する強いプレゼンスを中心としたディストリビューションを通じて幅広い商品やサービスを企業系、マルチナショナル系、及びアッパーミドルマーケット(大型中堅企業市場)に提供している。Chubbは主にミドルマーケットを対象とした企業保険、スペシャルティ保険、そして保証保険を扱っており、幅広い商品ポートフォリオと絶大な代理店プレゼンスを誇る。また、個人保険分野においてChubbはアメリカの富裕層の顧客を対象にパーソナルラインズ保険を提供する最大手であり、エースも同様の顧客層への注力を高めてきた。

アメリカ以外のグローバル市場おいてエースは世界54ヶ国で事業を展開し、幅広い商品と顧客層、ディストリビューション能力を誇る一流の保険会社であり、世界25か国で事業を展開しているChubbの相補性により世界市場におけるエースのプレゼンスはさらに高まることとなる。また、エースはA&Hの分野で世界のトップに位置しており、カナダやヨーロッパ、アジア、南米においては両社共に相補的な個人保険商品やサービスを提供している。統合後はプロフェッショナルラインズ(専門分野保険)分野において大中小全ての企業系の顧客に対して幅広い商品を提供することで世界の業界トップの位置につくことができる。

グリーンバーグ氏はさらにこのようなコメントをしている。 「企業系P&Cの料率サイクルに対するエクスポージャの低い商品分野において、より強いプレゼンスと能力を持つことができ、良いバランスが取れるようになります。両社の商品力は相互補完的です。一方が進出していない分野に他方が進出しています。一方が強い分野において、他方はさらに力を持っています。商品が重複している分野においては多くの場合、一方が大型企業マーケットを得意とし、他方は中小企業マーケットを得意としています。お互いのスキルや経験から培ったデータや知識を組み合わせることで可能性は無限に広がります。例えば、Chubbのスキルと経験を得ることでエースのアッパーミドルマーケットに対するサービスが強化され、逆にエースの商品力でChubbのミドルマーケットの顧客に対するサービスを強化することができます。また、両社の力を合わせることで世界中のスモールマーケット(小企業市場)やミクロマーケット(極小企業市場)への展開も強化されます。

「どちらもアンダーライティング規律と最高のクレーム・サービスに対する強い情熱を持っているため、互いの企業文化から得るものも多いでしょう。Chubbという社名のもと、持続的かつ長期的な保険引受利益に加え、運用資産ベースが拡大されることで金利上昇の恩恵を受けることができ、さらに成長機会を生かし、効率性を大幅に高めることができます。両社が統合化されることでこれまでより大きく、早いスピードで成長し収益を増加させることができます。Chubbの優秀な社員やお客様、ビジネスパートナーをエース・ファミリーに迎えることを楽しみにしています。」

魅力的な株主利益

この統合によりEPS(一株当たり利益)と簿価は直ちにに向上すると見込まれ、3年目までにEPSは2桁台の向上、ROE(株主資本に対する利益率)も向上する見込み。ROI(投資利益率)は2年以内にエースの資本コストを超過し、その結果3年目までに2桁台の還元、そして一株当たりの有形簿価は3年以内に現状レベルまで戻ると見込まれている。

経営陣、取締役会、社名、本社機能

統合が正式に成立した後、グリーンバーグ氏が合併会社の会長兼CEOとなり、フィニガン氏が北米渉外担当の副会長として統合化のサポートをすることが合意されている。取締役会にはChubbの現行取締役会から新たに4名の取締役を迎え、14名から18名に増員される。 Chubbは引き続き自社の名前で事業を継続し、合併会社はグローバルでChubbという社名に移行していく。統合後の合併会社は引き続きスイス、チューリッヒに本社拠点を置くこととなる。また、合併会社の北米事業の本社機能は現在Chubbの本社があるニュージャージー州ウォーレン郡で管理される。現在エースの北米事業の本社機能のあるフィラデルフィアは統合後も重要な役割を果たす。

合併の資金、効率性、契約の締結、および承認

エースは買収に必要な資金調達にエースとChubb合わせて90億ドルの余剰キャッシュフローと53億ドルの優先社債(満期はこれから設定)をあてる予定。エースは信用格付の監督指針に合わせて買収後の負債総資本比率の目標を20%に設定する予定。

合併契約の締結後、3年目までに両社の重複領域から年間約6億5千万ドルの経費削減を見込んでいる(税引き前)。また、会社が大きく成長することで大幅な追加収入が見込まれている。収益の向上は5年目には損益シナジーが安定する見込みで、効率化が進むことで人やシステム、商品、ディストリビューションへの投資がより柔軟にできるようになる。

買収契約の成立はエースおよびChubbの株主の承認、1976年制定のハート・スコット・ロディノ反トラスト改正法による待機期間の満了あるいは終了、及び監督官庁の承認を持って2016年第一四半期となる見込みである。

ニュースリリース   (ACE Limited 配信版)

 

本件に関するお問い合わせ先

Investors: Helen Wilson: (441) 299-9283; helen.wilson@acegroup.com 
Media: Jeffrey Zack: (212) 827-4444; jeffrey.zack@acegroup.com


免責事項:将来予想に関する記述
この情報発信に含まれるすべての将来予想に関する記述でChubb買収に関連する内容のものは、それが買収後の潜在的業績に関連するか否かにかかわらず、未来の出来事・商取引・業績等に対するエースが現在持っている見解を反映しており、1995年の私募証券訴訟改革法のセーフハーバー条項(免責条項)に従って発信されているものである。すべての将来予想に関する記述にはリスクや不確実性が含まれており、実際に生じる結果が記述と異なる内容となる可能性があり、将来予想に関する記述との相違が非常に大きなものとなる可能性もある。 将来予想に関する記述には、ACEとChubbが関与する買収案件がもたらす未来の財務結果等の利益に関する記述が含まれるが、これに限定されるものではない。例えば、ACEとChubbの計画や目標、期待や意図、買収が完了すると想定される時期、その他のまだ歴史的事実となっていない記述内容などがそれにあたる。実際に生じる結果が将来予想に関する記述と異なる、場合によっては大きく異なる要因となりうる重大要因には以下のものが含まれるが、それに限定されるものではない。迅速に買収を完了することができない、必要とされる監督官庁の承認を得ることができないなどの買収完了に必要な条件を満たすことができない、その他の理由で買収案件を完了することができない、買収によって期待される利益のいずれかが実現しない可能性がある、Chubbの事業をACEの事業へ統合化する作業が大幅に遅延するあるいは想定よりも費用がかかるまたは困難となる可能性がある、主要な従業員の統合や引き止めが困難となる、発表内容がACEあるいはChubbあるいは両社各々の取引関係や業績および事業全体に影響をもたらす、合併から期待される相乗効果やコスト削減効果が実現されない可能性またはそれが期待される期間内に実現されない可能性がる、想定外の要因や事象などによって買収を完了させるための費用が想定を超過する可能性がある、進行中の事業運営や機会に対する経営陣の注目の転換、競争力・経済・政治・市場の状況や変動、そして米国政府および外国政府や監督官庁の措置や条件提示などが例として挙げられる。さらに、2015年9月11日付けの共同委任状・趣意書にある「リスク・ファクター」と題された条項で記載されている合併後の会社の将来の実績に影響を与える可能性のあるリスクや不確実性、その他の要因を慎重に考慮すべきである。共同委任状・趣意書はACEとChubb各々の株主に配布されており、有価証券報告書の一部として証券取引委員会 (SEC) にACEとChubbそれぞれが提出したものがSECのウェブサイトに掲載されている(www.sec.gov)。ACEが2015年2月27日にSECに提出した2014年12月31日付けの年次報告書の10-K書式に「リスク・ファクター」と題された条項が含まれており、Chubbが2015年2月26日にSECに提出した2014年12月31日付けの年次報告書の10-K書式に「リスク・ファクター」と題された条項が含まれている。将来予想に関する記述に過剰な依存をするべきではなく、その内容が発信された時点での状況をあらわす記述に過ぎない。新情報や未来の出来事、その他の事情により状況が変化しても、ACEは将来予想に関する記述を公式に更新あるいは訂正する義務の一切を負わない。